「時効」とは法律用語の一つです。
この法律用語の転用として、一般社会で用いられる口語では、自己に不都合な出来事を、長期間が経過したことを理由に正当化ないしは非難を回避する意図で用いることがあります。「小さいときに友達の家にあったお菓子を黙って食べてしまったけど、もう時効だ」などという言い方です。
法的用語として厳密に定義するならば、ある出来事から一定の期間が経過したことを法律要件として、現在の事実状態が法律上の根拠を有するものか否かを問わずに、その事実状態に適合するよう権利または法律関係を変動させる制度です。
民法の取得時効と消滅時効、刑法の刑の時効、刑事訴訟法の公訴時効があります。
日常語で使われる場合には、民法の除斥期間を「時効」と表現することもありますが、法学用語としては誤りです。
近年、この時効制度に対しての一般的な関心が高まるようになりました。特には犯罪事件の時効に対しての疑問と批判です。
凶悪犯罪の未解決事件が、時効によって刑事捜査が中止されてしまうことへの、時効制度自体への批判です。
その背景には、近代の警察の捜査機関の能力が、従来にはでき得なかった立証能力が、数十年超えたとしても、維持できるようになったこともあります。
科学捜査の発達と証拠保存や復元技術の発達で、年月を経ても捜査は不能になるとはいえなくなっています。
また、殺人等の犯罪被害者の遺族感情の問題があります。
長い月日が過ぎてしまえば、加害者への怒り・恨み等の遺族感情は薄らぐという考え方をされてきましたが、必ずしも全ての遺族がそうとはいえないということ、それに近代の犯罪の複雑さもあるでしょう。
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